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に日本人拒否の考え方がないことをアピールし、日本側の旅行業者に対しても働きかけている。
2)現地の日本の観光関連業者の動き
一方、現地で営業している日本の観光関連業者は目立った対応をしていない。「でたらめだとわかっていたので、特に抗議はしなかったが、日本側には伝えた」(日本の旅行業者)程度で済ませている。この旅行業者以外からは、日本側が起こした具体的な対応について聞くことはできなかった。記事が掲載されたことで、特に影響を受けることもなかったようである。
3)日本のマスコミの受けとめ方
では、日本のマスコミはどのようにこの記事を受けとめただろうか。毎日新聞(1995年7月26日夕刊)は時事通信の配信として、朝日新聞(同年9月4日夕刊)は、コラムの中でタイムズ紙の記事を掲載しているが、タイムズ記事の意図をほとんどそのまま翻訳・転載している(図−9、10)。両新聞はその後、毎日新聞が8月30日付けでナショナル・トラストへのインタビューを通して、タイムズ紙の誤りを伝える記事を掲載し、朝日新聞も、9月30日に読者からの抗議を受けて同様の事実確認の記事を掲載している(図−11、12)が、初期の報道からは、日本人の行動が名指しで非難されたことに対する抗議や疑問の意識は薄い。また2回目の記事にも、タイムズの記事が誤りだったことの記述にとどまっている。

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図−9 毎日新聞(1995.7.26夕)

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図−10 朝日新間(1995.9.4朝)

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図−11 朝日新聞2報(1995.9.30)

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図−12 毎日新聞2報(1995.8.30)

 

 

 

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